川に沿って歩いてみよう。西小山の散歩コース「立会川緑道」

西小山駅のロータリーをマイバスケットのほうへ曲がり、4、5分歩くと見えてくる交差点。その向こう側から続くのが「立会川緑道」です。碑文谷八幡宮まで1キロほどの道ですが、名前のとおりその下にはいまでも立会川が流れているんですよ。

石畳で歩きやすいコース。知る人だけが知るヒミツも

立会川緑道は石畳の散歩コース。車道の中央で盛り上がっているので、車の動きからはっきり区別されて安全です。それに、階段を使ってどこからでも出入りが自由。住宅街の中を気ままに落ち着いて歩けるのが魅力です。

そのため、ワンコと歩く人が多く、ご年配の方がゆっくり通る姿もよく見かけます。

一年を通して花壇に花が咲きますし、天気が良ければベンチで風を受けることもできます。夏になると、桜並木が木陰のトンネルをつくり、緑道は涼しい道に変身!このことを知っている人は、わざわざ立会川緑道を選んで使っていますよ。

ちなみに、2台の公衆電話ボックスもあるので、何かのときのために覚えておいてくださいね。

立会川は見えないけれど、橋がたくさん

立会川は、碑文谷公園と清水池公園の池から始まり、小山から中延、大井と流れて大井競馬場あたりで海に入ります。昔は流れの周りが水田に利用され、農村の風景をつくりだしていたといいます。

そんな立会川の上に道が敷かれたのは、初めての東京オリンピックが開催された昭和39年。日本が都市化する勢いに合わせて川と人のつきあいも変わったのでしょうね。

ところが、当時の橋はいまでも健在です。緑道がほかの道と交差する場所ごとに、橋の親柱が再現されているのです!

西小山側から順に追うと、羅刹橋、参宮橋、雪見橋、月見橋、中丸橋、新橋、門前橋、富士見橋、大門橋、寺前橋、宮前橋の全部で11の橋。かつての橋を想像して渡ると、散歩が面白くなります。

桜に囲まれて立会川を遡ろう

それでは、西小山から碑文谷八幡宮へ向かって緑道を歩いてみましょう。川の流れとは反対に進むことになります。

こちらが入口の交差点です。

正面が羅刹橋。交差点の右手は武蔵小山駅へ続いています。

では、羅刹橋を渡りましょう。

橋の向こうに見えるのは桜の木。ここから次々と桜が現れてきますよ。

私が数えたところ、桜の木は全部で56本。ほとんどが古くて、中には両手を回してもとどかないほど太い木も生えています。

また、ソメイヨシノだけではなく、コシノヒガンという桜も見られます。

若木ばかりなのですが、ソメイヨシノから植え替えられているのでしょうか。いずれにしても、なんと木が多いこと。この先には桜の壁に囲まれるようなところもあります。

保育園と小学校、公園も通り過ぎる

羅刹橋から1分くらい進むと、緑道でただひとつの曲がり角がやってきます。

ここで、参宮橋、雪見橋と渡っていくと…

右側には向原小学校が見えてきます。

さらに進みましょう。次の月見橋を渡ると、原町保育園や向原おもだか児童遊園も現れます。

この2つの橋は緑道でいちばんにぎやかなところです。小さな子の声が聞こえてきて、つい笑っちゃうこともありますよ。

円融寺から碑文谷八幡宮へ

緑道は大きなお寺の円融寺も通ります。そこまでに渡る橋は、中丸橋、新橋、門前橋、富士見橋、土門橋の5つ。なんとなくお寺に関係があるような名前ですね。

お寺へ向かう道は、ここまでと違ってとても静か。洗足駅へ続く円融寺通りをまたぐので、商用車も入ってくるのですが、凛とした空気の中を歩く感じがします。

写真は富士見橋ですが、昔はここから富士山が見えたのでしょうか…。

この先、大門橋の交差点を右に曲がると円融寺です。

そして、次の寺前橋を過ぎたらいよいよ終点へ。

最後の宮前橋を渡ったところが碑文谷八幡宮です。

宮前橋の正面に八幡さんが現れる感覚はちょっと不思議。ここまでのルートが参道に思えてしまいます。

春先には、緑道の桜と碑文谷八幡宮の桜並木が繋がって、みごとな花の道をつくります。そのときに立会川の流れを感じたら、普通とは違う桜の景色が見えるでしょう。

ぜひ、次の春にでも立会川緑道を歩いてみてください。

「立会川緑道」
住所:東京都目黒区目黒本町5丁目・原町1丁目から碑文谷1丁目・南1丁目エリア
アクセス:東急目黒線西小山駅から徒歩約4分(西小山側の緑道入口)

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。