西小山・武蔵小山、小山の名はここから「小山八幡神社」

みなさんは、自分の住んでいる地名の由来を、知っていますか?今日ご紹介するのは、武蔵小山や西小山の「小山」という地名の由来になったといわれている神社です。

「小山」の名、由来の神社

西小山駅から徒歩7分。立会道路から一本奥に入った閑静な住宅街にある神社があります。「小山八幡神社」です。

江戸見坂交番の横の道、閑静な住宅地に入っていくと、坂が現れます!勾配がキツイという程ではありませんが、急に坂道になるので知らないと少し驚くかもしれません。神社はあの木がある所なので、がんばってのぼりましょう。

坂をのぼりきると、次は石段です。石段の左手にはしっかりとした看板が出ているので、わかりやすいかと思います。

石段をのぼりきると…おお!鳥居がドーンと目の前に現れました。到着です!
鳥居の向こう側と、石畳いっぱいに黄色が映えています。きれいですね。この時期は、イチョウの葉が境内に彩を添えてくれます。

右を見ると、こちらにも!一面イチョウ黄色で染まっていますね。こちらの境内はこぢんまりとしていながら、建物と建物の間隔が離れているので、解放感があります。のんびりと歩くのに気持ちがいい空間です。

また、イチョウの木の下にベンチが置かれていて、ここから西小山・武蔵小山一帯を見渡すことができます。

実はこの小山八幡神社は、品川区内随一の高台なんです。小高い丘の上にあり、標高は35mにもなります。そうなんです、この地域一帯の土地の名前は、この小高さから来ているんです。小高い山、つまり「小山」というわけだそうです。

名前の由来だけではありません。品川区で、こうして一帯を見渡せる場所はなかなかありません。そのため、魅力ある品川区の風景として「しながわ百景」にも選ばれているんです。
この日はいかにも秋から冬へとの変化を感じさせるような曇天でしたが、ぜひ晴れた日に足を運んで、品川区のステキな景色を見てみてください。

趣ある境内

改めて、礼をしてから鳥居をくぐります。

鳥居をくぐるとすぐ左手に、手水舎(てみずや/ちょうずや)があります。参拝者が身と心を清める場所ですが、新型コロナウイルスの影響で閉じられていました。立派な手水舎で、作法の順序も丁寧に書かれているのに、残念ですね…。

石畳に促され参道を進むと、拝殿に辿りつきます。木造ではありますが、重厚感のある厳かな佇まいですね。こちらは近所の三谷八幡と同様、誉田別命(ホンダワケノミコト)が祀られています。
拝殿の手前には狛犬が対になって、境内を守ってくれています。

お参りをしようと階段を登り、ふと気づきました。なんと、鈴の緒がありません…!こちらも新型コロナウイルスの影響のようです。残念ですが、徹底していて素晴らしいですよね。
お参りは気持ちが大切ですから、鈴の音がなくても大丈夫です!お賽銭を入れて、しっかりとご挨拶しました。

ちなみに、この拝殿は「フリーター、家を買う。」というドラマでロケに使われたこともあるそうです。趣ある拝殿や境内が、画になりそうですよね…納得です!

こちらは、稲荷社です。先ほどの拝殿の左隣にあります。立派な木の下に、しっかりとした屋根が建てられています。

そして稲荷社の左奥、参道に従って奥へと進むと、もうひとつ建物が現れます。甲子神社です。つまり、大黒天さまが祀られています。提灯にもしっかりと「甲子大國天」の文字がありますね。

大黒天さまというと、七福神のうちの一人です。そして頭巾をかぶり大きな福耳で笑顔、そして打ち出の小槌を手にしている姿が印象的ですよね。恵比寿さまと同じくらい、七福神の代表格のイメージで、馴染みある神様かと思います。例にもれずこちらの大黒天さまも、荏原七福神に数えられているそうです。御利益は開運招福、商売繁盛とされています。

品川区指定文化財の樹木

この小山八幡神社は、イチョウや松など、数多くの樹木に包まれています。その中でも、品川区指定文化財となっている樹木があります。しかも2本も!

こちらのシイ、推定樹齢は約500年だそうです。

見上げるとこんな感じです、大きいですよねぇ…。こんな身近に、昔からの自然があるとは思いませんでした。

「小山」の地名の由来となった神社、小山八幡神社。閑静な住宅街にある神社とは思えないほど、いくつもの魅力がありました。西小山に行った際は、ぜひ訪れてみてください。

小山八幡神社
住所:東京都品川区荏原7丁目5-14
アクセス:東急目黒線 西小山駅から徒歩7分

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。