西小山の立会道路で、桜のトンネルを歩こう。

武蔵小山でのお花見といえば、今では人出の多さでニュースにもなる目黒川が有名でしょうか。でも、もっと身近なところにもステキな桜並木があるんです。

西小山駅を通る「立会道路」もそのひとつ。駅前から旗の台まで南東に続くこの並木道は、毎年3月になると数週間だけピンクのトンネルに変身するのです。

商店街から住宅道へ、合計167本の桜が続く

今回ご紹介する桜並木は、西小山駅から旗の台方面の中原街道まで2kmにわたって続きます。品川区のホームページによると、木の数は合計で167本。ソメイヨシノ以外の桜も植えられているようです。

駅の改札を出て、Uターンするように駅前ロータリーを歩き、つきあたった立会道路が桜並木のスタートです。

駅前は商店街なので、桜が咲くと一段と華やかになりますね。お買い物する人たちの「キレイだね〜」という声もたくさん聞こえます。

駅から少し進んだ江戸見坂下という交差点から見ると、ぼんぼりが吊り下げられていて、いかにも商店街の桜並木といった風情です。

小山八幡神社の近くにあるへ昇り坂、江戸見坂。昔はその頂上から、江戸の街や海も富士山もよく見えたといいます。

桜並木は、この先に全部で5ヶ所の信号交差点で見られます。

桜吹雪の中、公園や小学校も通りすぎる。

江戸見坂下から2つ目の信号までは商店街が続きます。そこを越えるとお店がまばらになり、並木道は住宅街へと入ります。

空気もこれまでと変わって落ち着いた雰囲気に。静かな時間の中で、桜のトンネルをくぐるのはいいものですよ。

見上げれば桜、桜。

降り注いでくる花びらを受けとめていると、まるでスターになったかのような気分にさえなれます。

そして、花が咲いてから日がたつほどに、足元もピンクに染まっていくのです。

歩いていると、荏原南公園や延山小学校なども見えてきます。特に、このあたりは桜の枝ぶりがよく、みごとなアーチを形づくっています。

ところで、なぜ並木が道のほうに枝を伸ばすのかご存じでしょうか。一般的には、木は光を求めて南側へ枝を伸ばします。それが、道路の脇に生えるとなると、道に反射した光が当たるので、道路の中央に向けてより枝を伸ばすというわけです。

ほかにも並木の姿がよくなるにはさまざまな条件がありますが、ここは桜のトンネルにはいい環境のようですね。

終点は昭和大学病院

延山小学校を過ぎると、間もなく中原街道に出ます。並木の終点の目印となるのは昭和大学病院です。

桜の木々も人の心をいたわるように美しく咲いているようですね。西小山駅からは20分ほど歩いてきましたが、桜がおつかれさんと言っているようにも思えます。

また、西小山駅を起点にして、反対方向の碑文谷八幡宮までは立会緑道という桜道も通っています。ふたつの道を合わせると、全長で3km、合計220本ほどの桜並木です。これが春分の日の前後にだけ、いっせいにピンク色に染まります。

すばらしい時期に、ぜひ、西小山の桜並木を体験してみてください。

「立会道路」
住所:東京都品川区荏原5、6、7丁目/東京都品川区小山5、6丁目
アクセス:東急目黒線西小山駅すぐ(西小山駅から出発する場合)

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。