武蔵小山でおいしいジャークチキンに出会う「アマラブ」

1940年代の戦後から生まれた武蔵小山商店街は、どこか雑多な雰囲気があり、アーケード脇の小道には低い雑居ビルやアパート、一軒家が並んでいます。今回、そんな界隈を歩いて気になったのが、赤いカウンターのお店でした。

ジャークチキンってなに?

武蔵小山駅からパルム商店街のアーケードに入り、歩くこと3分。ふと、富士そばの脇道に入りたくなり…、

道を進んでいくと花屋さんがあるのですが、

さらに、先の横道を左に曲がってみたら…。

ポツンとひとつだけ、お店の看板を見つけたのです。

このあたりは、飲み屋さん横丁のような道です。なのに、昼間に開いているとは不思議。

近づいてみたら、赤いカウンターが出ていました。その上にはテイクアウトのメニューが置かれています。

お肉の店でしょうか? おいしそう!

メニューに書いてある「ジャークチキン」というのは、ジャマイカの屋台料理なのだそう。後ほど調べたのですが、スパイスに漬けた鶏肉をバーベキューのように焼いてつくるようですよ。

こちらのお店の名前は「AM-A-LAB」(アマラブ)です。実は、2010年からオープンしていて、週末だけ営業していたところを、この2〜3年で平日も開けるようにしたそうです。どうりで珍しく見えたわけでした。

レゲエとジャマイカ料理

それにしても、なぜジャークチキンというものを出しているのでしょう。

「もともと、ここにはレゲエ好きな仲間が集まっていたんです」とお店の方。バーベキューなどで遊んでいるうちに、何かみんなでやってみたいねということになり、レゲエの国であるジォマイカの料理屋を始めることにしたそうです。

とはいえ、全員が飲食業とは関係なし。そのため、調理方法を調べたり、ジャークチキンの有名店で働いたりしながら自分たちで味をつくったといいます。

また、建物はそもそも住宅として借りている家。そこで大家さんにもゴーサインをもらって開店したそうです。

まさにアットホームな環境で生まれたお店だったのですね。

ジャークチキンのために訪れる人も

メインメニューは「ジャークチキン」。また、同じように調理したポークやマトン、イワシなども食べられます。

11月から3月は、「アルタイルシチュー」といって、ココナツミルクと野菜のシチューも登場します。

ジャマイカでもビーガンの方はこんな料理を食べているそうですよ。

いちばん人気は、ジャークチキンとご飯がセットになった「ジャークチキンコンボ」だそう。豚肉も混ざった「ジャークチキン&ポークコンボ」もよく出るそうですが、肉×スパイス×ご飯のとりあわせは、確かにおいしそうで納得です。

いつもは、特に年代なども問わずご近所の方がいらっしゃるそう。ジャークチキンが食べられる店として情報が出ているので、ときには外国の方も訪ねてくるようです。

ちなみに、ジャマイカはイギリス領土だったことから、イギリスでもジャークチキンはおなじみメニューなのだとか。そのため、イギリスに滞在した人が、懐かしい!とやってくることもあるそうです。

チキンの焦げ目&長いお米が美味

これが初めてのジャークチキン。せっかくだから「ジャークチキンコンボ」に挑戦しよう!

と、勢いよく思った私ですが、やはり不安もちらり。まずは、L・M・Sの3種類からSサイズをオーダーしました。

ところが、「ホットソースはかけますか?」と聞かれてびっくり。思わず辛いですかと聞き返したところ、では少しだけかけますね、とお店の方が初心者バ ージョンにしてくださったのでした。

できあがりまで待つこと10分。ジャークチキンコンボはこんな姿でやってきます。

縦12センチ、横19センチの容器にフォークもついていて、Sサイズといっても軽いランチにぴったりのボリュームです。

蓋を開け たら、チキンがぎっしり。スモーキーないい匂いです!

写真ではわかりづらいのですが、チキンの下にはご飯がたっぷり。それも、日本米ではなく長粒のお米で、赤くて長い豆も混ざっています。

ザクッとすくって口に入れると、ご飯の歯応えと、チキンのスパイシー味がマッチしておいしい。焦がしている苦味がステキ なアクセントです。

いってしまえば焼き鳥丼でしょうか。でも、日本のものとは正反対で、なんというか豪快な感じが素敵です。

それから、ホットソースは甘くて辛いのですが、恐れたほどではありませんでした。次はもっとかけてもらいます!

聞くところによると、ジャマイカではジャークチキンの味つけにはっきりした決まりはないといいます。だからこそ、アマラブの味はここでしか体験できないのですね。ぜひ一度、お店に行ってみてください。

「AM-A-LAB」(アマラブ)
住所:東京都品川区小山3-24-14
アクセス:東急目黒線武蔵小山駅から徒歩約4分
営業時間:
・月/木/金 11:00-19:30(休14:30-16:00)
・火/水   11:00-14:30
・土/日/祝 11:00-19:00
電話番号:03-3787-3606
定休日:不定休

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。