視野を広げる1冊に出会える!?不動前の「フラヌール書店」

まだまだ蒸し暑い日が続いていますが、日の短さや日差しの傾きから少し秋の訪れを感じられるようになりました。

秋は食や運動などさまざまなことに適した季節と言われていますが、みなさん本は読まれますか?

私はもっぱら実用書ばかり購入するタイプで、ひと月に1冊も読まない人間ですが、書店は好きです。

書店に行くと、魅力的なタイトルの本がたくさん並んでおり、その本を見つけただけであたかも技術を手に入れたかのようなワクワクした気持ちになるからです。

ですが、魅力的なものがありすぎて、その中から自分に適した本を選ぶのはとても難しい…

そして、興味のあるものを探すのでいつも似通ったものばかり購入しがちです。

今回取材させていただいたフラヌール書店さんは、私のような読書初心者にも優しく、新たな発見をさせてもらえるステキな場所でしたのでご紹介いたします。

ゆったりと落ち着いた雰囲気に癒される店内

不動前駅から約3分歩くと、静かな通りにフラヌール書店さんがあります。
今年3月にオープンした新しいお店です。

子どもの習い事に行く際の通り道のため、何ができるのかな?とオープン前から気になっていましたが、当時まだ全体像が分からない状態でもおしゃれな雰囲気がただよっていました。

お店の外にはデザインのかわいらしい絵本が並んでいます。
黒板も設置されていて、通るたび近所の子どもたちが描いたであろう元気いっぱいのイラストに和んでいました。

入口に近づくと、風に乗ってふわーっと店内の本や木の良い香りに包まれ、なんとも言えない懐かしい気持ちになりました。

この日は晴れていて暑かったのですが、店内の落ち着いた香りと雰囲気にとても癒されました。

「いらっしゃいませ」と奥のカウンターから店主さんが柔らかく声をかけてくださいました。

店内には子どもが読む絵本から大人が読む難しい本までいろいろなジャンルの本がずらりと並んでいます。
子どもが座れるかわいらしいベンチもありました。

さまざまなカテゴリで分けられているのですが、その分け方も店主さんのオリジナリティが出ていて楽しいです。

こちらにある書棚や店内のカウンター、小部屋などほとんど店主さんがDIYで作られたそうです。

これだけたくさんの本が並ぶ書棚を作るには、寸法を測って、材料を用意して、配色を考えて塗って、組み立てて…と、途方もない作業量を想像して驚いてしまいました。

一つ一つ、店主さんが出来上がりをイメージしながら、並ぶ本や来店する人たちを考えて作られたのだろうなと思いました。
店内にただよう落ち着いた優しい雰囲気はこういったところからも醸し出されているのかもしれません。

まるで本のソムリエ!店主さんに本を選んでいただきました

お店の中にある本は全てご自身で仕入れていらっしゃるとのことで、まさか全て読んではいらっしゃらないですよね?とお聞きすると、全ての本のページを読むことはできないけれども、どんな内容が書かれているものかということはほぼ全て把握されているそうです!

それならばと今回は、店主さんにお願いして、自分用の本と、5歳の息子用の本を一緒に選んでいただくことにしました。
このようにお店の方に一緒に選んでいただくのは初めてです!

まずは息子の本から選びます。

「普段はどんなもので遊んでいますか?」
「どんなものに興味がありますか?」

などお話ししながら、いくつか絵本をピックアップしていただきました。

1冊目は、自転車に乗ることが好きな息子に、自転車に乗ってビュンビュン進んでいく、疾走感のあるおしゃれな海外の絵本。

2冊目は子どもが地図を見ながら知らない土地を探検していく絵本。スマホのMapで済ませてしまう大人にも地図記号は新鮮で、子どもの勉強にもなりそうです。

3冊目は、ちょっとゆるっとした感じの絵がかわいらしいおおかみとぶたのお話の絵本。ひらがなが読めるようになり、自分で読むのにもちょうどよい文字と絵のバランスです。

4冊目は、弟と一緒に読んでも楽しいのではと、大きなプールから何が出てくるかな?とワクワクする絵本をご紹介いただきました。

自分で絵本を選ぼうとすると、手に取るのはどうしても目立つ場所にあるものだったり、子どもが好きそうなテーマのものだったりしてしまいがちですが、このように本を知り尽くした店主さんにこちらの意向をふまえつつ選んでいただけるのはとても貴重だなと感じます。

次に私の本を選んでいただきました。
本は読みたいけれどもあまり時間が割けていないということもお伝えしました。

「普段はどんな本を読まれますか?」
「これまでで良かったな〜と思った本はどんな本ですか?」
「ノンフィクションと物語系だったらどちらが好みですか?」

など私のような初心者の目線に立ってヒアリングしていただきつつ、最初にご紹介いただいた本がまさに「面白そう!!」というもので即決してしまいました。

レシピ本や家事の本など実用書ばかり購入していた私ですが、今回ご紹介いただいたのはエッセイというあまり手に取らないジャンルの本でした。

50代の作者さんの暮らしの「かつて」と「いま」の変化が書かれている本で、作者さんが子育てに追われていたかつての姿が今の私と重なり、自分も50代になると環境も暮らしも考え方もこんな風に変化していくのかなとイメージの膨らむ本でした。

ひとつひとつのお話が短くまとまっており、育児のちょっとした合間の時間でもストレスなく読み進められそうで、その点も考慮してくださったのだと思います。

結局、息子にはゆるっとした絵がかわいらしい「ぶたのたね」というおおかみとぶたの絵本、私は「ただしい暮らし、なんてなかった」という本を購入させていただきました。

オリジナルのブックカバーもかわいいです。

読書初心者の方にもおすすめしたい書店さん

今や何でもネットショッピングで済んでしまうご時世で、賢い機能が必要そうなものをどんどんレコメンドしてくれます。

ですが、それだけではある一定の自分の枠からははみ出せないような気がします。

私は今回店主さんにご紹介いただいたものによって、ネット上のレコメンドでは知り得なかった新しい世界が見られそうな気がします!

私はこれまで書店さんに行くときは何か目的があって行かないと入りにくかったのですが、店主さんから「本当にお気軽に、眺めに来るだけでも立ち寄っていってくださいね」と言っていただき、フラヌール書店さんにはふらっと行けそうな気がしました。

また、どんな本を買おうか悩んだときは店主さんに尋ねれば本のご紹介もしてくださるとのことでしたので、新しい世界を見てみたい方はぜひ店主さんに尋ねてみてください!

この秋は読書初心者にも優しいフラヌール書店さんで見つけた本を片手に、夜長を楽しんでみてはいかがでしょうか。

フラヌール書店
住所:東京都品川区西五反田5-6-31-102
アクセス:東急目黒線「不動前駅」徒歩約3分
電話:
営業時間:12:00~20:00 定休日:水曜日、第1第3火曜日

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。