武蔵小山駅から補助26号線に出て、7分ほど学芸大学に向けて歩いた左手に、水槽が見える「渓水庵」があります。テラリウムを扱っているのですが、壁がなくて自由な雰囲気のお店。オーナーが明るくて気さくで、つい寄りたくなるのが魅力です。
苔とのつきあい方を教えてもらう
渓水庵で売っているのは主に「苔」です。お店の中には、水槽やガラス瓶がずらり。
いままで何軒かテラリウム店に行きましたが、これほどたくさんの苔は見たことがありません。
それぞれの苔を覗いていると、お店の方が声をかけてくださいます。例えば、苔を飼う部屋は本が読めるくらい明るければ大丈夫。空気中の水を吸うので、土や葉に水をやるのでなくガラス瓶の中を湿らせるのがコツです。
つい長生きすると思ってしまいますが、苔もいつかは枯れるもの。鉢植えの草花を育てるというより、切花が長く持つという感覚でいるとちょうどいいと教えてくださいました。
オーナーの経験から生まれたテラリウムショップ
オオスギゴケ、ハイゴケ、オオシラガゴケ、フジノマンネングサ、フロウソウ、オオフサゴケ、オオトラノオゴケ、ヒノキゴケ、チヂレタチゴケ、コウヤノマンネングサ、ムツデチョウチンゴケ、コセイタカスギゴケ、カサゴケモドキ…。苔の名前を見るだけでも、楽しげな世界に浸れるのが渓水庵です。
こんなに苔を扱うようになったきっかけを聞くと、「子どもがモリアオガエルを飼いたいと言ったから」とオーナー。カエルのために水槽に苔を入れたがうまくいかず、それならばとご自分で山へ行き、苔の生えている場所の湿度や温度などを測ってデータを集めたそう。その経験が後日になって、テラリウムのデザインや販売につながったといいます。
そもそもオーナーは活発で器用な方のよう。渓水庵を開くときも、ガレージでやろうと今の場所に決めたのだとか。お店の囲いや棚はオーナーの日曜大工で作ったそうです。
ガラス瓶のテラリウムが愛らしい
お店の代表的なテラリウムは、蓋つきガラス瓶の湿ったタイプ。大きいサイズと小さいのがあります。
両手で包めるくらいの瓶がかわいい!苔や土のデザインもあいまって、お店ならではのデザインなのです。ひとつひとつが愛らしいですね。
ほかに、乾いたタイプのテラリウムもあります。
こちらには紅葉も入っています。
まず試してみたいという場合には、1本ずつ小分けになった小瓶もいいでしょう。
瓶の大きさは手のひらに乗るくらいで、こちらにも小さい宇宙がありますよ。
また、苔のほかには花の咲く蘭なども売られています。
さらに、渓流のようにデザインされた水槽も。
挑戦したいという人は、作り方を教えてもらえると思います。
春になると、新居のためにとテラリウムを探しにくる人が増えるそうです。中には、古里でよく見た苔が恋しくなってという人もいるようです。
また、インテリアだけでなくプレゼントとして求める人も。結婚式では、親御さんへ花束の代わりにテラリウムを渡すケースもあるそうですよ。
買ったのは、オオカサゴケ
私が買ったのは、オオガサゴケです。ふさふさの葉が花のようでかわいいので決めました。
乾くと葉がワカメのように縮むので、そのタイミングで湿らせればいいとのこと。扱い方の説明書もついているので、まずは慣れてみようと思います。
今回、渓水庵で私は初めて苔の相棒ができました。「こっそり、ひっそりとやっています」とオーナーはおっしゃいますが、お店でご自身がギターを弾くこともあるそうですよ。そんな気楽なテラリウムショップへぜひ、寄ってみてくださいね。
渓水庵
住所:東京都目黒区目黒本町4-1-15
アクセス:東急目黒線武蔵小山駅から徒歩約7分
営業時間:
月・水・木・金/13:00-18:00
土・日・祝/11:00-18:00
電話番号:090-8721-5080
定休日:火曜日
※イベントに出店する際などは休業。情報はTwitterで(@keisuian51)で確認できます。