以前紹介した「戸越公園」を訪れた際に、すぐそばにあるもう一つの公園も気になっていました。「文庫の森公園」という名前、なんだかステキですよね。
本を読むことが好きなわたしにとってはとっても気になる公園です。今回はこちらの公園をご紹介します!
日本最古の壁式鉄筋コンクリート造建物
「文庫の森公園」は「戸越公園」と同じく、江戸時代初期に肥後国藩主細川家下屋敷があった一帯にあります。
1890年に三井財閥当主の三井家に所有が移ったのち、三井家の江戸時代以来の営業記録等歴史資料を保管するため、事務棟と書庫2棟が建てられました。
そしてこのタイミングで現在の「公益財団法人三井文庫」の起源となる「三井文庫」が発足します。
しかし第二次世界大戦により史料の一部が焼失したことなどから、建物は当時の文部省に売却され、「国文学研究資料館」として多くの学者・研究者に利用されたそうです。
第二書庫は日本最古の壁式鉄筋コンクリート造建物として現在もこの公園に残っています。
これが「文庫の森公園」の名前の由来なんですね。
この建物が完成した翌年には関東大震災が起きましたが、ほとんど被害を受けることはなかったそうです。
ですが、震災被害の多くが火災によるものだったことから、すぐに防火耐性を高める改修工事が行われました。
現在は中に入ることはできませんが、防火備蓄倉庫として活用されています。
しっかり背景を知った上でこういった歴史ある建物を見るとワクワクしますね!
色とりどりの
文庫の森公園に到着すると、まず大きなあじさいが目に入りました。
今の時期はあちこちで見かけますが、こんなに大きなあじさいは見たことがないかも知れません。(写真ではサイズが伝わりづらくて残念です)
園内のあちこちにはお手入れをしているスタッフの方もいて、植物がとてもきれいに咲いていました。
他にもなぜか1本だけ元気に咲いているひまわりや、色鮮やかな花がたくさん。
桜の季節にはお花見も楽しめるようです。
園内の池にはたくさんの亀たちもいました。
戸越公園にもたくさんいましたが、このあたりは亀の生息地なのでしょうか?
災害に備えた役割も
こちらの「文庫の森公園」は、災害時の広域避難場所としての役割も持っています。
この広い芝生の広場は多くの避難者を受け入れるためのもので、アスレチックなどはありませんが、ボール遊びをしたりレジャーシートを敷いてのんびり過ごしている姿が見られました。
実はこの公園は周りに柵がなく、緊急時にどこからでも入りやすいようになっているようです。
確かに大きな公園の入り口を探すのって結構大変ですし、混雑もしやすいでしょうから、こういったつくりはありがたいですね。
また、公園内のベンチは災害時にはかまどに変身するらしいです。
前述した通り、第二書庫は備蓄倉庫として災害に備えた役割も持っています。
普段あまり避難場所について意識する機会は少ないかも知れませんが、近くにこのような公園があると安心できますよね。
歴史と自然と災害対策を兼ね備えた文庫の森公園。
防災についての意識が高まっている時代でもありますので、ぜひこういった公園の設備なども意識してみてくださいね。
文庫の森公園
住所:東京都品川区豊町1-16-23
アクセス:東急大井町線 戸越公園駅 徒歩2分
都営浅草線 戸越駅 徒歩9分