昔ながらの文化として、あまりにもお馴じみの日本茶。でも、11月にオープンした「茶雑菓」へ行くと、そんな日本茶の世界がもっと広がるかもしれません。
戸越で日本茶のテイスティングができる?
「茶雑菓」は日本茶にまつわるものを集めた、日本茶カジュアルなお店です。たとえば、いつでも気軽にお茶の試飲ができるんですよ。
私の訪れた日のラインナップは「深蒸し茶」と「棒茶(茎茶のこと)」「ほうじ茶」でした。それも、面白いことに、お湯ではなく水で淹れているのです。お店の方が1杯、もうひとつと、カップに注いで渡してくださいました。
飲んでみたら、水出しのトロッとした感じが新鮮で、3つのお茶の口あたりや渋みが違うのも確かにわかりました。黒板にお茶の特徴が書かれているので、後から答合わせするのもおもしろいですよ。なにより、緑茶でというのは珍しいでしょう。
また、月替わりで各地のいろいろなお茶も買うことができます。作り手であるお茶屋さんが店頭に立つ日もあり、直接話せることも。そんな方々のさまざまなお茶への想いや、おいしく淹れるヒントなどが聞けるのは「茶雑菓」だけではないでしょうか。
戸越の印刷屋さんがオープンした、日本茶にまつわるお店
とてもアクティブな「茶雑菓」ですが、意外なことに運営しているのは、茶葉の袋を製造するパッケージメーカーです。戸越に本社があり、それも品川で90年ほど続いている老舗企業です。
「茶雑菓」をオープンしたのは、お茶屋さんと一緒に日本茶を盛り上げたいと考えたからだそう。「戸越銀座商店街にも4件ほどの日本茶店がありましたが、いまはなくなってしまい…。そこで、地元企業として“お茶っ葉”に触れられる場をつくることにしました」と販売サポート部の方はおっしゃいます。
お店の仕立ては、このようにカウンターがついた体験型です。
もちろん、お茶を淹れるための急須やお菓子なども買えます。
いままでにないドリップ緑茶を発見
そんなお店の中で目立っていたのは、こちらです!
カードのように見えますよね。でも、聞いてびっくり、これはドリップバックの緑茶なんです。
緑茶のパッケージに、「ありがとう」「応援してるよ」などちょっとした気持ちが書かれていて、グリーティングカードのようにも使えるというわけです。
冬らしく、クリスマスやお正月、バレンタインデー向きのものもありました。
実はこちらは、今回納入している、狭山に製茶工場を持つ埼玉のお茶屋さんの商品です。
そして、こちらのパッケージは「茶雑菓」を運営するパッケージメーカーが製造しています。お茶をドリップ式で個別包装することで気軽に飲めるものにしたアイデア。さらに、人にも贈れるようにメッセージカードのようなデザインにしたそうです。
お店を訪れるお客様は、これは面白い!という人が多いそうで、既にファンもいらっしゃるのだとか。中にはプレゼントに使うからと10個、20個と買う方もいらしたそうですよ。
それはそうでしょう、と思わず納得してしまった私。すると、そんな私に、スタッフが実際にドリップ緑茶を淹れてさらに説明してくださいます。
しかも、話はドリップ緑茶のことだけに終わりません。いつしかお店の方も加わり、お茶のあれこれへ広がったのです。
例えば、水出しにするとカフェインがほとんど出ないそう。しかも、ボトルに茶葉を入れっぱなしにしても濃くなることはなく、減ってきたら水だけを足せばいいのだとか。
それから、飲んだ後の茶殻は食べられることをご存知ですか?鰹節と砂糖、醤油で和えるとおにぎりの具にできるそうですよ。
このように、へぇと思って過ごすこと数十分。お茶の便利なところや意外なことなどいろいろ教えていただきました。たくさんありすぎてお伝えしきれないのが残念です!
茶器やお菓子はちょっと違って楽しそう
また、急須もこのようにたくさん並んでいます。
スタイリッシュだったり温かみのあるデザインだったりと、使ってみたいなと思うようなものを揃えているそうでよ。
特にオススメは、中身が見えるガラス製のフィルタートップポットだそうです。
こちらは、フタが樹脂製で茶漉しを兼ねているので扱いやすくて便利。お湯の中で茶葉が広がったり、液体が色づいたりする様子を見ているのは、なんともいえず和むとのことでした。
さらに、販売しているお菓子もとてもキュート。
日本茶に合うお菓子として、パッケージにこだわったチップスなどが提案されています。
チョコレートもあるのですが、緑茶に合うとは意外な発見でした。
日本茶を淹れるのがうれしくなる
今回、持ち帰って飲んでみたのはこちらのドリップ緑茶です。
「よろしくお願いいたします」なんてメッセージが面白いですよね。
さっそく外袋の封を切ると、ぱあっと緑茶の青い香りがたちのぼりました。そて、ドリッパーをカップの淵にかけるとこのような状態になります。
写真ではわかりづらいのですが、茶葉は4gとたくさん入っています。そこで、マグカップになみなみとお茶を淹れて飲んでみました。食後だったのですが、ご飯の格が上がったような気分になりましたよ。
「みなさんにとって日本茶の入口になれば」という想いから生まれた「茶雑菓」では、500円で参加できるお茶付きワークショップも開催しています。
ぜひ、日本茶と茶器に出会える「茶雑菓」を訪れてみてくださいね。
「茶雑菓(Chazakka)」
住所:東京都品川区戸越1-19-17 1F
アクセス:都営浅草線戸越駅から徒歩約6分
東急池上線戸越銀座駅から徒歩約7分
営業時間:11:00-18:00
電話番号:03-6426-2828
定休日:月曜・火曜