武蔵小山駅から5分ほど歩くと、イタリアンレストランの「イルポジターノ」(IL POSITANO)が見えてきます。日本の材料でイタリア料理が食べられるお店ですが、カジュアルながらおいしそうな雰囲気なので、以前から気になっていました。
そのイルポジターノの軒先に湘南野菜のマルシェが登場したのは、2022年12月のこと。今では月に1回のペースで開催され、その都度、湘南で採れた季節の野菜が買えるのです。
湘南の有機栽培野菜が武蔵小山に
「湘南野菜マルシェ」を主催しているのは、湘南の有機栽培野菜などを生産販売する「アトミックランチマーケット」(Atomic Lunch Market)です。代表は目黒の元競馬場前で家具雑貨古着のビンテージ店を運営なさっており、その店舗の1階で野菜を販売しています。
イルポジターノとは、2018年のオープン当初からおつきあいがあるそう。そうした関係から、こちらでマルシェとしても提供するようになったそうです。
お裾分けから始まった野菜販売
アトミックランチマーケットの野菜は、湘南の自家農園で栽培したものをそのまま運んでくるのが特徴です。伺った日も、朝4時から畑に行き収穫なさったのだとか。
とはいえ、こうした野菜づくりはもともと販売を目指したものではなく、新たに立ち上げるカフェのために始めたそうです。体に優しいメニューに向けて、ご自身で野菜を栽培しようとされたのです。
ただ、その後に東日本大震災が発生。近隣の人たちが物資不足で困ったことから、農園の野菜を分けてあげたのが販売の始まりだったそうです。
写真でご覧いただけるとおり、マルシェの野菜はみずみずしく、こだわりが伝わってくるようです。どこか愛らしい感じもしますね。
また、並んでいる野菜の中には、ほかの4〜5ヶ所の湘南の農園で採れたものもあります。どの農園も、同じように自家用で栽培なさっているそうですよ。
豊作ならお買い得?!
湘南野菜マルシェの魅力は、そのときどきで違う野菜に出会えること。それに、畑から直接運んでくるので、値段も毎回変わるのです。つまり、もし豊作なら安くなるんです!
春ならば、タケノコやふき、新玉ねぎなどが見られます。今回は、夏野菜がいっぱいありました!
たとえば、栗かぼちゃ、千両ナス、ズッキーニ、いんげん…など実のもの。また、モロヘイヤのような葉ものに、メークインや北あかりなどの根菜もあります。さらには、バジルなどハーブ類も定番。
もっと詳しくご紹介しましょう。例えば、きゅうりといっても、一般的なお店で手に入るものとはちょっと違うんですよ。
写真の左端は、スーヨーきゅうりといいますが、イボイボがしっかりしています。
右側のきゅうりは、支柱を使わず、スイカのように地面を這わせて育てられたものです。ちょっと不恰好ですが、水分が多くてやわらかいといいます。
また、売られているのは野菜だけではありません。
取材日は、農園のブラックベリーをたくさん使った自家製のブラックベリーケーキがありました。
しかも、砂糖や牛乳、バターを使っていないのがステキ。今回は一切れ550円ですが、こうしたお菓子も使う材料によって値段が変わるそうです。
おいしそう!と思っていたら、目の前で一人、二人とお客さんが買っていきます。やはり、すぐに売り切れてしまうのではないでしょうか。
お店の周りを見ていると、年配のご夫婦や若い女性などさまざまな方が立ち寄ります。中には、すでにファンの方もいらっしゃるのだとか。イルポジターノでこの湘南野菜を食べて、おいしかったからと買いにくる人もいるようです。
湘南産という珍しさだけでなく、丁寧に育てられたことがわかる野菜が買えるので、お客さんが惹きつけられるのは当然なのでしょう。
いましか採れない野菜に出会える
今月のマルシェのオススメをお聞きしたところ、「6月から8月に出る枝豆です」と代表。今回販売されているのは「いきなまる」という早生品種で、葉がついたままの姿です。食べるとほくほくするそうですよ。
また、ヤングコーンもこの時期ならではの野菜です。
そもそも、ヤングコーンというのは、将来とうもろこしの実になる部分の一部を間引いたものなのだとか。とうもろこしのヒゲが生えてから1〜2週間のうちしか採れないと教えていだきました。
食べるなら、皮のまま焼いて塩を振るとおいしいとのこと。ラッキーなことにちょうと今出会えたので、今回はこちらのヤングコーンを買いました。
自宅に帰ってさっそく調理。外皮をむいたら、土の匂いがしました。
オーブンで20分くらい焼いてみると、ちょうどいい加減です。アツアツを口に入れると…、やわらかい!甘い!しかも、ヒゲまで甘くてびっくりです。
ヤンクギコーンがこんなにもおいしいことを、私は湘南野菜マルシェで初めて知りました。
マルシェに行く場合は、武蔵小山駅から地上に上がり、そのまま直進してドラッグストアを右折するといいでしょう。
開催場所のイルポジターノは、道の右手にある青いひさしのお店です。カタツムリの看板も目印になるので、すぐにわかると思います。
イルポジターノでは、普段から湘南野菜や季節の魚介など素材を大切にしたメニューが楽しめます。マルシェ時には、湘南野菜を使ったランチが食べられることもありますよ。
また、マルシェが開催されるのは、基本的に第3土曜日の12時頃からです。変更されることもありますので、詳しくは、アトラミックランチマーケットやイルポジターノのインスタグラムなどでご確認いただくとよいでしょう。
ステキなイタリア料理店イルポジターノで、とりどりの湘南産野菜が買える「湘南野菜マルシェ」。ぜひ、寄ってみてくださいね。
※湘南野菜マルシェ開催場所
IL POSITANO(イルポジターノ)
住所:東京都目黒区目黒本町 3-5-7 プリマヴェーラ1階
アクセス:東急目黒線「武蔵小山駅」より徒歩約5分
※マルシェについての問合せ先
Atomic Lunch Market(アトミックランチマーケット)
住所:東京都目黒区目黒4-10-4
営業時間:14:00-20:00
電話番号:03-6451-0235
定休日:水曜